大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)502 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人大沢愛次郎の上告趣意第一点について。

所論(2)の犯罪事実については、原判決は、Aの検察官に対する供述調書及び

被告人Bの第一審公判廷における供述の一部を証拠としてこれを認定したのである。

当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第七七号、同二四年五月一八日大法廷判決)に

も示されているとおり、共同審理を受けていない単なる共犯者の供述はただ共犯者

たるの一事のみを以て完全な独立の証拠能力を欠くものと認むべき何等の実質上の

理由もないのみならず、Aの供述と被告人Bの供述と相俟つて犯罪事実は十分に認

め得られるのであるから、原判決の右認定に憲法三八条三項の違反ありとする主張

は理由がない。

所論(3)の犯罪事実を認定するについては、原判決は、被告人Cの検察官に対

する第三回供述調書の供述記載の外、多くの証拠を挙示している。そうしてこれ等

の証拠は被告人の自白の真実性を裏附けるに足るものであるから、補強証拠たり得

るものであること、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一一二号同年七月一四日

大法廷判決、昭和二五年(れ)第一八七〇号同二六年四月五日第一小法廷判決)に

照らして明らかである。してみれば原判決は、所論のように被告人の自白を唯一の

証拠として犯罪事実を認定したものではなく、従つてこれを目して憲法三八条三項

に違反するものと主張する論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は、被告人Cの司法警察員に対する供述調書は同人の警察署に留置中病気の

とき強いて作成されたものであると主張する。しかし仮りにそうであつたとしても、

それだけでは同人の検察官に対する供述が、強要によるものだとは云えない。(C

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みずから公判廷において、検察官から自白を強要されなかつたとの趣旨を述べてい

る)。従つて所論憲法三八条二項違反の主張は、その前提を欠き採用することがで

きない。

被告人Bの上告趣意は事実誤認の主張に帰し適法な上告理由とならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年六月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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